脂肪注入コンデンスリッチファット

コンデンスリッチファットやピュアグラフトをふくむ脂肪注入豊胸術において、注入用脂肪は脂肪細胞へなるべくダメージを与えない様に大きめの注射器を用いてそっと採取しなければなりません。
脂肪細胞を破壊してしまうヴェィザーは、当院ではこの場合はデメリットが多いため使いません。
また、脂肪注入豊胸術の場合、脂肪を注入する層を、皮下、乳腺下、大胸筋下に分けて注入しますが、注入する脂肪へのダメージと注入する層の正常組織への浸襲を考慮し、当院では3種類の特注特殊カニューレを使い分けています。
注入する脂肪へのダメージを考慮すると、注入用カニューレは太い方が望ましいです。
ところが、最も浅い層である皮下に太いカニューレを挿入すると、皮下組織への浸襲が大きく、また抵抗が大きいためスムーズに挿入出来ません。
したがって、皮下には最低限の太さのカニューレを用います。
また、目標とする皮下への挿入を容易にするため、唯一先端が尖ったカニューレを用います。
深層である大胸筋下には最も太く先端が丸いカニューレを用います。
大胸筋下には胸繊維が発達しかなり強固です。
そこにあまりにも細いカニューレを挿入するとひん曲がってしまい、最悪より深い胸腔内の肺の方に向かい気胸のリスクがあります。
先端が尖っていると尚更怖いです。
乳腺下には中間の太さの先端が丸いカニューレを用います。
あまりにも太いカニューレや先端が尖っているカニューレだと大切な乳腺組織への浸襲が大きいからです。

以上の様に、メーカーはコンデンスリッチファットをべた褒めですが…。
メーカーが主張するサイズアップや定着率を実現出来る先生もおられるかもしれませんがいくら試しても僕には不可能です、僕が下手なだけかもしれませんが…。
当院では、コンデンスリッチファット注入と自然分離脂肪注入において、サイズアップや定着率で両者に著明な差はありません！
また、コンデンスリッチファット注入のもう一つのメリットである感染率の少なさも、自然分離脂肪注入も感染率が極めて少ないため、両者に著明な差はありません。
結論として、コンデンスリッチファット注入と自然分離脂肪注入においてサイズアップ・定着率・感染率に著明なさがない以上、自然分離脂肪注入で十分だと思われます。
ただ、自然分離脂肪注入にはコンデンスリッチファット注入の様なブランド力はありませんので、ブランド力もお求めになる方にはコンデンスリッチファット注入が良いと思われます。

以上の様に、メーカーはマイクロコンデンスリッチファットをべた褒めですが…。
コンデンスリッチファットに関わらず30Gの細さの注射針を通る程細かく砕かれた脂肪組織は、かなりの損傷を受けています。
かなりの損傷を受けた脂肪組織は、既に壊死している脂肪細胞も多くもうお顔のシワや窪みを膨らませれません。
したがって、定着率は極めて低く半永久的な効果は期待出来ません！
ただ、物理的に破壊された脂肪細胞からは脂肪細胞に内包されていた様々な成長因子等のエキスが放出されるため、一時的に注入部位の肌質は活性化されて改善されます。
結論として、お顔のシワや窪みにはヒアルロン酸注入若しくは自然分離脂肪注入で、お顔の浅いシワには浅層専用ヒアルロン酸注入で、肌質改善には肌質改善用ヒアルロン注入若しくはPRP注入が良いでしょう。